中国における安全・環境に関する法規制動向及びそのビジネスリスク - Comply or Close

2019年5月30日

ERM日本セミナー「中国における安全・環境に関する法規制動向及びそのビジネスリスク - Comply or Close」を横浜にて開催いたしました。

日時:2019年5月29日(水)14:00-16:30
開催地:横浜

中国政府は、環境規制の厳格化を国内外に発表しており、2015年の環境保護法改正、2016年からは中央政府による「中央環境監査」を実施し、違反企業に対して操業停止を含む罰則強化を継続しています。具体的な規制強化の対象としては、土壌地下水汚染、排水、大気排出、及び廃棄物など主要環境項目を網羅しており、工場の操業に大きな影響を与えています。このような流れの中、今年3月21日江蘇省塩城市の化学工場で爆発事故が発生し、78人が死亡しました。これは、2015年8月の天津での爆発事故、2018年11月の張家口での爆発事故に続く化学工場での災害であり、中国政府と地域社会全体に大きな衝撃を与えました。その結果、江蘇省政府は、省内の化学企業を現在の4分の1となる1000社程度まで削減するなど、化学工場に対して非常に厳しい規制強化を発表しています。今後は、環境に加えて安全の面でも厳格な検査が積極的に行われ、違反が確認された場合は、工場の操業停止や移転につながる可能性があります。 「法令順守、さもなければ閉鎖(Comply or Close)」と呼ばれる、中国における環境及び安全に対する取り締まり強化は、工場存続に大きな影響を与える事態であり、自社及びサプライチェーンを含めて規制強化に対する十分な備えがない場合、中国、及びそれに関連する日本国内におけるビジネスの致命傷になる恐れがあります。 

本セミナーでは、ERM中国の北京オフィスよりパートナーであるCho Hing Leeを招き、安全に関する中国法規制の最新動向を事業継続に重大なリスクを及ぼしうるケーススタディと共にご紹介いたします。また、ERM日本のパートナーである上野俊洋より、中国での環境規制強化の動向、それに伴う工場移転や工場閉鎖などのリスク、その対応策にについて解説しました。

各セッションの概要は以下の通りとなります。

・中国における安全関連法規制遵守のための課題(スピーカー:Cho Hing Lee、ERM中国パートナー)
中国における安全に関する最新の法規制の動向について説明しました。これは、国や地方行政当局の命令による操業停止や工場移転のリスクに直接関係するものです。また、これが事業継続に対して潜在的な悪影響を与えることを示した実際の事例をいつくか紹介しました。このような状況において、中国ビジネスにおける法令順守及び適切なリスクマネジメントについてのアドバイスをいくつか提供しました。

・中国における環境規制の最新動向とビジネス上の留意点(スピーカー:上野俊洋、ERM日本パートナー)
中国では環境規制が強化されており、それに伴い、工場移転・工場閉鎖・操業停止・責任者拘束・罰金などのリスクが高まっています。中国ビジネス参入、既存工場操業、工場閉鎖において、関わる環境法規を概説するとともに、ビジネス上の留意点について解説しました。

本セミナーの対象者
中国国内に製造拠点またはサプライヤーを持つ企業の皆様(環境や安全部門の責任者、操業や事業の責任者、投資部門や経営企画部門の責任者の方など)

使用言語:日本語および英語
Cho Hing Leeが担当いたしましたセッションにつきましては、英語。セッションの終わりに日本語にて簡単なまとめをいたしました。

ゲスト・スピーカーについて
Cho Hing Lee (李助兴) ERM中国、パートナー、安全衛生サービス 
ノース・アジア地域、安全衛生サービス責任者
北京を拠点に、ERM中国にて安全衛生サービスを統括するパートナー。安全衛生およびリスク管理の分野で20年近くの経験を持つ。現在、中国商務部が管轄するCAIEC(China Association of International Engineering Consultants:中国国际工程咨询协会)の専門委員会のメンバーでもある。
前職では、リスク・マネジメントに関する様々な活動を行う国際機関であるDNV GL(本部:ノルウェー・オスロ)の傘下企業のOil&Gas社の中国事務所にて、石油・ガス分野における安全衛生およびリスク管理のアドバイザリー業務の部署にて責任者を務め、本ビジネスが中国で大きな成長を遂げることに貢献。DNV GLが中国での事業開発計画を実行する上での先駆者となる。2009年から2012年には、シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA: Energy Market Authority)にてコンサルタントとしてGas Safety Caseレポートの評価に従事。2014年から2015年には、中国の4つの特定石油化学工場にてプロセス安全管理を含む安全管理の評価をLee率いるチームで実施。中国国家安全生産監督管理総局(SAWS)および中国国有石油企業(NOCs)から高い評価を受ける。中国での16年近くに亘るビジネス経験から中国現地の安全に関する規制及び操業へのその影響に精通。